東京に拠点を置くスタートアップ企業Space Oneは、民間宇宙産業での地位を確立するための挑戦を続けています。同社は失敗を乗り越え、粘り強く取り組む姿勢を見せています。水曜日には、18メートルのロケット「カイロスNo.2」による衛星軌道投入の2回目の試みが、上昇中の技術的な不具合により中断されました。
和歌山県串本町にある新設宇宙施設から打ち上げられたこのロケットは、第2段ロケット燃焼時に問題が発生し、約3分後に飛行が自動終了しました。この結果に対して、Space Oneの豊田政一社長は、収集されたデータの価値を強調し、同社が学び続け、進化する決意を新たにしました。
「原因を究明し、必要な改善を行い、3回目の試みに進む予定です」と豊田社長は記者会見で述べました。
技術的・環境的課題を克服する
今回の試みは、悪天候による2度の延期の後に実施されました。土曜日に予定されていた打ち上げは強風のため日曜日に延期されましたが、その後も同様の気象条件により水曜日まで延期されました。このような課題は、宇宙企業が考慮しなければならない環境要因の複雑さを浮き彫りにしています。
「カイロスNo.2」には、台湾の宇宙機関、京都のスタートアップ、さらには東京の高校生チームが開発した5つの小型衛星が搭載されていました。この多様なペイロードは、学術研究から商業活動に至るまで、宇宙イノベーションへの関心の高まりを反映しています。
民間宇宙打ち上げにおける課題とイノベーション
カイロスロケットシリーズは、小型衛星の打ち上げを目的とし、効率性とコスト削減を重視して設計されています。日本の次世代主力ロケット「イプシロンS」と比較するとペイロード容量は小さいものの、打ち上げ準備期間を短縮し、費用を抑えることで市場の需要に応えています。
また、カイロスロケットの特徴として、日本のロケットとして初めて採用された自律飛行安全システムがあります。このシステムは、飛行経路や速度、ロケットの状態を常時監視し、異常が検知された場合には飛行を中断し、自爆装置を作動させる仕組みです。この技術は安全性を確保し、異常発生時の影響を最小限に抑えます。